はじめに
前回に引き続きKindle Unlimited対象だった事と、この辺りって全然知らないなーと思ったので読んでみた。 本当はしばらく前に読み終わってたんだけど文章に起こすのが遅くなってしまった・・・反省。
本の概要
- 作者: シバタナオキ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/07/13
- メディア: 単行本
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ファイナンス・リテラシーは一生モノの仕事力。東大、スタンフォード、楽天、シリコンバレー。結果を出し続けてきた著者が続けてきた、膨大な数字から「未来を先読む」すごいやり方。大学でも会社でも教えてくれない実務に役立つ決算分析法。
目次
- 第1章:決算が読めるようになると何が変わるのか?
- 第2章:ECビジネスの決算
- 第3章:FinTechビジネスの決算
- 第4章:広告ビジネスの決算
- 第5章:個人課金ビジネスの決算
- 第6章:携帯キャリアの決算
- 第7章:企業買収(M&A)と決算
- 終章:決算を読む習慣をつける方法
決算を読めるようになるとどうなるか
「決算を読む習慣は、財務・会計担当者以外の人たちのスキルアップやキャリアアップにも役立つんじゃないか!?」
エンジニアはビジネス面にも強くなり、営業であればコンペの勝率があがり、転職時には転職先の会社を選ぶときにも今後成長を見込める企業を選ぶことができるように!
実際数字には強い人類でありたいと思う。できて損はない。
決算短信ではなく、決算説明会資料から読む
決算短信は上場取引所に提出する資料。専門的かつ文字が多いので、筆者としては決算説明会資料を読むことをおすすめするとのこと。
企業の「将来」を予測しようとする前に「過去」を正確に理解する
決算はあくまで当該期間の過去をまとめたものなので、将来のことがわかるわけではなく、将来のことを予測したいのならばその過去情報を圧倒的な量で読み込む必要がある。とにかくインプットの量重視がよい。
ある会社の四半期決算を1時間かけて分析するより、同じ時間で1年分の決算を流し読みする方が、発見が多いのです。
くらいの量感。
それに加えて決算ごとの差異を発見するのに気をつけたほうがよく、当然ながら各企業には見せたい数字と隠したい数字があるわけで、特定の決算以後は急に資料から消える項目があったり、その逆があったりなどするのでそこを発見すると企業側の意図を読み取れるようになる。
おすすめの章
個人的には「第7章:企業買収(M&A)と決算」が一番のおすすめ。
買収金額から買収元の戦略を読み取ったり、実際に買収した場合会計上どのように扱われるなんてのは今まで気にしたことがなかったので新鮮。まさか買収した金額が減価償却されるとは知らなんだ(日本基準と国際会計基準で仕組みが別)。
一番のおすすめはMicrosoftによるLinkedIn買収の具体的な交渉内容の話。
感想
実際の企業の資料を参考に各分野ごとの決算情報を特色を交えて読みとってみよう!という本。
もともとはこちらのnote連載からスタートしたらしい。今でも継続して連載しているので後日目を通したい。
「決算は難しい」という思い込みを捨てよう
という言葉がはじめにあるとおり、細かい数式とか会計ルールの解説が序盤にたっぷり、ということは特にない。わりとすぐに実際の資料が出てくる。 しかも各分野ごとで章立てされているので、興味のある分野の内容だけつまみ食いしても全然問題ない。
全部読んだとしても全304ページなのでそこまで重くもないし、実例を見ながらなのであまり飽きずに読み進められると思う。雰囲気とかを掴むくらいでも面白いのではなかろうか。
小難しいことは置いておいて、「決算を読むとどのようなことがわかってくるのか」を最短で知ることができるので入門編としてはちょうどよいのではなかろうか。
この本をお勧めする人
なんか決算系の資料ってちゃんと読んだことないけど興味あるなーってくらいのモチベーションの人にはいいと思う。 とりあえず読んでみて「ほほー、そうなんだ。おもしろいかも」と気持ちが乗ってきたらもうすこし専門的なものを読むコースかと。
ただ逆に「ガッツリちゃんとやりたい!」って人だとボリューム不足を感じるかもしれない。