モチベーション
セールになってたのと、そういえば歴史系はもう何も記憶に残ってなくて、「魏志倭人伝」って名前自体は学生時代に聞いたことあるけど内容覚えてない・・・現代語訳ならサクッと読めるんじゃなかろうか?ってことで読んでみた。
こういう普段全然興味持たないものこそ読書でさらっとインプットするのが吉。
本の概要
- 作者: 松尾光
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2014/06/30
- メディア: Kindle版
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三世紀の倭国の情勢と邪馬台国の女王卑弥呼の存在を記録した「魏志倭人伝」の原文に、書き下し文・現代語訳・註を完備した永久保存版。さらに、その他の「中国正史」である『漢書』『後漢書』『宋書』『隋書』『旧唐書』『新唐書』から倭国・日本の国情を描いた記述をすべて抜き出し、同じ構成で解説した。参考資料として、「高句麗広開土王碑文」「祢軍墓誌」「井真成墓誌」を併載し、古代日本を知るための中国関係資料を集成した待望の書。
目次
- 第1章 入門『魏志倭人伝』
- 日本古代史と『魏志倭人伝』
- 第2章 『魏志』烏丸鮮卑東夷伝倭人条の全文を読む
- 『魏志倭人伝』を読む
- 第3章 中国正史のなかの「倭国」と「日本」
- 第4章 入門『魏志倭人伝』②
- Q&A「中国正史」と倭国の謎
- 『魏志』などの正史は、いつ、だれが、何の目的で書いたものか
- 『魏志倭人伝』の著者・陳寿とは何者か
- 「ヤマタイ国」は、なぜヤマトに比定されるのか
- 「卑弥呼」は、固有名詞か一般名詞か
- 卑弥呼は、天照大神か倭迹迹日百襲姫命か、それとも神功皇后か
- 倭迹迹日百襲姫命の箸墓は、卑弥呼の墓か
- 魏の使者と倭人は、どのようにして会話したか
- 吉野ヶ里遺跡は、『魏志倭人伝』にどう描かれているのか
- 銅鐸は、なぜ『魏志倭人伝』に記されていないのか
- 「漢委奴国王」の金印は、偽物ではないのか\
- 「神武東征譚」は、邪馬台国の東遷の記憶か
- 『隋書』の「タリシヒコ」は、聖徳太子のことか
- 『隋書』に「女多く男少なし」とあるのは、どうしてか
- Q&A「中国正史」と倭国の謎
- 第5章『魏志倭人伝』関係資料
- あとがき
魏志倭人伝 is 何
日本が「倭国」と呼ばれていた古代、皆さんご存知の邪馬台国の卑弥呼について言及される歴史書。
ではあるのだが、魏志倭人伝自体は日本の歴史書ではなく、中国の歴史書である。こちらも皆さんご存知の「三国志」のうちの「魏書」の30巻である「烏丸鮮卑東夷伝」にある「倭人条」とよばれる記述が「魏志倭人伝」とよばれているのだ。
古代日本の歴史書は「日本書紀」があるが、大和王権設立前の歴史についての記述は少ない。その記されていない歴史が記されているのが「魏志倭人伝」というわけである。国内の資料がないので海外の資料で当時の状況を考察しましょう、と。
もちろん当時の環境で海外に正確な情報が伝わっているわけでもなく、どこまで信憑性があるのかもわからないが貴重な資料であるのは間違いないのだろう。
ただし、とても短い。
実は魏志倭人伝自体はものすごく短いのだ。どれくらい短いというと原文は2000字弱しかない。漢文だから情報量の違いはあれど400字詰原稿用紙5枚だ。めっちゃ短い。そのため魏志倭人伝だけでなく似たような記述がある中国正史のいろいろな史書の現代語訳も3章で紹介している形になっている。
卑弥呼
日本古代の超有名な女王。だいたいのイメージは「邪馬台国の女王」だが、実際は邪馬台国には別に王がおり、卑弥呼は各国の連合国家である「邪馬台国連合」の女王である(ちょっと調べてみたら邪馬台国の王も兼任してる説もあるとか)
イメージ的には邪馬台国は1都道府県で、卑弥呼は総理大臣的な扱いだろうか。
この卑弥呼、弟がいろいろと手助けをしていただとか、女王になってからはほとんど人前に出ず、一人の男が身の回りの世話をしていたとかなんとか。
そして巫女、というかシャーマン的な力があったとの記述があるので、もしもFGOで登場した場合はまず間違いなくキャスターでの現界だと思われる。前述の一人の男が身の回りの世話をしていたとか、卑弥呼 = 天照大神説があったとか、卑弥呼は実は個人名ではないのではとかの説もあるので設定厨にはたまらない。TYPE-MOONの菌糸類ならとても素晴らしい仕上がりの設定にしてくれるんじゃなかろうか。ドラクエ3の「実は八岐大蛇」ってのを軽く超えてくると信じてる。
ぜひ出してほしい。