なっぱ箱

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読書を強制させることによるモチベーションへのデバフ

最近、なんだか本を読むのが楽しい。

少し前までは技術書であっても読み始めるまでに精神的な壁がなんとなーくあって本棚に積んじゃうことが多かったのだけれど、ここ最近は毎日何かしら本を読んでいる。 なんというかめっちゃ楽しい。蜘蛛の巣が張っていた脳みそに情報がもりもりインプットされていくのを感じる。

こうなった原因の1つは転職によって自転車通勤から電車通勤になったことによる暇な時間の増加なんだけども、気持ち的な変化もわりと見逃せないレベルだよなー、と思ったのでちょっとまとめておこうと思う。

強制読書による地獄

以前の職場では読書に関してこんな2つの制度があった。

  • 図書購入補助制度
    • 純粋な福利厚生
    • 業務に関連する物(技術書)とかであれば月5000円までの補助がでる
    • 会社ではなく個人の所有物になる(非常にありがたい)
  • 課題図書制度
    • 全社員への義務(業務時間外)
    • 会社指定リストの中から上長が選んだ本を毎月1冊読み、レポートを提出(全社展開)
    • 期限までに提出しなかったら昇給停止
    • 提出の遅れも賞与/昇給評価に影響

2つめがヤバい。何がヤバいって全部ヤバい。
指定リストの内容もさることながら、罰則がめちゃくちゃモチベーションを下げる。

お判りいただけるだろうか?この数年たっても苦しめられてる感。 そして実際に評価に影響でた時はこんな感じの会話が。

上司「んー、業務内容は評価高いんだけどね、課題図書提出遅れたから評価1段階落としね」

俺「(マジで評価下げやがっ・・・た・・・)」

こうかはばつぐんだ!モチベーションががくっと下がった・・・!! モチベーションへのデバフとしては非常に効果的!読ませる本も自己啓発本だったり社畜の鑑みたいな内容の本だと倍率ドン!

なお、いろいろな制度が乱立してすぐに廃れていくこの会社においてこの制度、なんと4年くらい続いてしまったのだ。これほど悲しいことはない。 最初は「どうせすぐになぁなぁになって終わるやろ」と思っていたがまさかの長寿制度化。その結果根付いた読書への忌避感は心の中から読書熱を消し去るには十分すぎた。

地獄からの解放

転職 → 電車通勤で時間あるな → 本読みてぇな!!!

てな具合で転職後3ヵ月くらいで自然に読書熱が帰ってきた。 特に「本を読むようにならなきゃだめだ・・・」とかそういった自己意識を頑張って変えたわけでもなく、なんとなーく自然にそんな感じになっていったのである。

やっぱり「本を読むことを強制されている」状態からの解放が大きかったんだろう。

「強制でも読書させられてたおかげで読書が習慣づいてるんじゃないの??むしろ感謝したら??」

とか誰かが言いだしたらガンジーパンチレベルなんだけれど、それな事実はないとここで断言しておく。と言うのも・・・・

なんと後半2年くらいは課題図書を読んでいなかったのである・・・・!!

あまりのくだらなさにある日「もうレポート全部でっちあげでいいや」と決めたのだ。そして課題図書を読まなくなった状態でも他の本はなかなか読む気にならなかったので、そのころにはもう「読書 = 苦痛」だと脳が覚えてしまったのかもしれない。

実際に本を読んでいたころの本の内容は一切覚えてないし、結局身についたのは目次とあとがきとAmazonのレビューを見てそれっぽくレポートをまとめ上げるダメな学生みたいな能力だけ。こんな誰も幸せにできない悲しい力なんて・・・・

まとめ

社員の知識レベルの底上げ、平均化を図るといったある程度納得できる理由はあるし、インプットすることの重要さもわかる。思い返してみれば「割と面白そうかもしれない」というものもリストには入っていた。お金を出して社員の教育をするという姿勢は一定の評価をしてもいいのだろう。(業務時間外であることとマイナス評価はどう考えてもNG)

けれども罰則で縛るのは良くなかったのだ。きっとあのころの自分は電気ショックでお仕置きされて萎縮する猿状態だったに違いない。猿に本当に必要だったのはきっとバナナという報酬。褒めてやらねばなんとやらと山本五十六の名言もあるし、もっとポジティブな制度だったら成功していたのかもしれない。せめてエンジニアは技術書とか「おもしろそう!読みたい!」と思えるようなラインナップだったなら・・・・いや提言して却下されたけどね。

もしかしたら今の読書熱も猿時代のただの反動かもしれないので、火を絶やさないようにガンガン本を読んでいこうと思う。 なにかおすすめの技術書なり文庫なりあったら誰か教えて。

今日はこんな所で。